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Live映像の配信方法

Windows Media Encoder を使ったLive映像の配信

Windows Media Encoder は、 Microsoft社が提供する動画作成用のソフトウェアです。有料版と無料版があり、無料版を使えば小規模な動画配信サービスを行うことができます。

ここでは、WindowsMediaEncoderを使って現在の映像をリアルタイムに配信ができるように設定してみましょう。
配信例)
フジテレビ防災ページ:ライブカメラ
藤沢市/市内映像配信ページ
KBN香川テレビ放送網瀬戸大橋LIVE

これらの映像を見るには、500MHz以上のクロック速度で動作するCPUが搭載されたパソコンであれば十分ですが、この動画を配信するには、最低でも1GHz以上のクロック速度で動作するCPUとメモリー512MBを搭載したパソコンが必要です。
現在なら中古でも普通に入手できる性能ですので、とくに不都合は無いと思います。
また、Live映像を撮影するカメラも安価なチャット用のWebカメラや動画を撮れる中古デジカメで十分です。
高くても、1万円以内で購入できます。(屋外を撮影するには、デジカメのほうが映りが良いようです。)

それよりも、Live配信では、回線速度や配信時間、公開の有無といったインターネット環境やLive画像の撮影場所などによる制限に注意が必要です。

1)回線速度の問題
動画のLive配信は、できるだけ低速な通信速度になるように設定しましょう。
なぜなら、動画を公開するにあたっては、個人の場合は自宅から配信というパターンが多いと思われます。
もし、自宅のインターネット回線がブロードバンド回線であったとして、画像配信を300kbpsの通信速度で行い、同時に10人からアクセスがあったとすると、回線上には3000kbpsの通信が発生します。
この値は、光ファイバーなら許容範囲ですがADSLなどでは、アップロードの限界を超えています。 まあ、同時に10人もの人が見てくれるような映像を流せたらそれはそれでスゴイことなのですが...

2)配信時間の問題
配信を1日じゅう(24時間)つづけるなら、信頼性の高いパソコンを用意する必要があります。
特定の時間だけ配信を行うなら、その時間を明示しておくことが必要です。

3)Live映像を公開する方法の問題
また、インターネットでLive映像を閲覧するには、インターネット上の「グローバルIP」で映像配信をしているパソコンを呼び出せる仕組みが必要です。
これには、Live映像配信用のパソコンをLAN内で固定IPアドレスに設定し、ルーターの機能を使ってインターネットからの呼び出しをLive映像配信パソコンにつなげるように設定を行います。

4)Live映像を撮影する場所の問題
パソコンやカメラは、電気がないと動きません。
カメラ・パソコンの設置場所に電源があるか?
温度・湿度、水濡れ、直射日光などの影響は?
電源や信号のケーブル、コネクタが使用に耐えられるか?
音声を入れる場合は、マイク(集音器)の設置場所確保。
などを解決しておく必要があります。

これらの問題をクリアすることがリアルタイムのLive映像配信のポイントとなります。

Live映像配信の配信イメージ

それではここで、ビデオLiveの配信に必要な機器構成やソフトウェアについて、まとめておきましょう。
【必要な機器】
・インターネットに接続されたパソコン
  CPU:1000MHz(1GHz)以上のクロック速度
  メモリー:512MB以上
  HDD:1GB以上の空き容量
  できるだけ撮影場所の近くに設置すること ・Webカメラ
  画素数:30万画素以上(多いほど良い)
  USB接続のものが扱いやすい

【ソフトウェア】
・OS   Windows98SE/Me、Windows2000pro/Xp   Windws2000/Xpが望ましい
・動画配信:Windows Media Encoder

【その他の環境】
  後ほど説明しますが、動画をインターネットで公開するならダイナミックDNSへの登録をおすすめします。

ここでは、Webカメラのドライバーがインストールされていて動作確認が取れていることを前提に、説明を進めることにします。
※Webカメラのドライバーをインストールして、カメラを接続しておきましょう。

また、Live配信をするパソコンには、LAN内で固定IPアドレスを割り振っておいたほうが便利です。
WindowsだけでLANを構成している場合には、Windowsの「コンピューター名:PC名」を使えばよいのですが、インターネットへの配信やLinux、MACを使う場合には、LAN内のIPアドレスでサーバーを指定することになります。
IPアドレスを固定にするには、パソコンのIPアドレスを「手動」で設定します。

WindowsXpの例)
「IPアドレスの手動設定」
を参考にしてください。

ここでは、PC名:ビデオLivePC、IPアドレス:192.168.12.11、
ビデオの配信用ポート番号:1080 として説明をしていきます。

それではまず、Media Encoder の最新バージョンをダウンロードしましょう。
WindowsMediaEncoderの入手先
Windows Media ダウンロードセンター

次に、MediaEncoderをインストールします。
このとき、Windows2000Proの場合には、DirectX8.1以上がインストールされていないとインストールができないので、注意しましょう。
DirectX 8.1は、DirectX 8.1 Runtime forWindows 2000からダウンロードできます。

ダウンロードしたインストールファイルをダブルクリックします。 インストールファイルをダブルクリック


ファイルの展開中
ファイルの展開中


インストールの開始画面
インストール開始


使用許諾で「はい」を選択します。(「はい」を選ばないと先に進めません。)
使用許諾に「はい」を選択


プログラムのインストール先を選択(変更の必要はありません。)
プログラムのインストール先を選択


インストールの実行開始
インストールの実行開始


インストールの実行中画面
インストールの実行中


インストールの終了
インストールの終了



Windows Media Encoder の起動とセッションの設定
MediaEncoderのアイコンをダブルクリックする
MediaEncoderのアイコン


MediaEncoder の起動中
MediaEncoderの起動


セッションを変更するときに表示されるメッセージです。起動時には表示されません。
セッション保存の問い合わせ 


セッションの開始方法を選択します。ここでは、「新規作成」を選びます。
セッションの設定開始


パソコンに接続されているカメラや音声デバイスを選択します。
Webカメラやマイクがつながっていれば、利用できるデバイスとして表示されるようになっています。
使用するデバイスの選択


個人利用の場合は、「エンコーダーからプル」を選択しておきます。
配信方法の選択


Live映像を送出するためのポート番号を指定します。
(ここでは、ポート番号は、1080です。)
回線への接続方法の設定


エンコードにはなるべく低速な回線に適応するものを選びます。
エンコードの方法を設定


ここでは、「低帯域幅ビデオ」を選んでおきます。
ビデオエンコードを低速度の回線用に設定


オーディオも「音声品質オーディオ」を選びます。
音声品質とあわせて31kbps程度に設定


ファイルへの保存ができますが、ここでは保存はしません。
Live配信なので映像の保存はしません。


番組途中に差し込むビデオファイルを設定できますが、ここでは指定しません。
差し込みビデオは設定しません。


表示情報として、タイトルや作成者などを入れられます。(適宜、設定してください。)
ビデオタイトルや説明を入れます。


ここまでの設定を確認できます。変更したいときは、「<戻る」ボタンを使います。
設定終了


セッションが作られました。タブで設定内容を表示・変更できます。
「ソース」


映像の出力方法です。
「出力」タブ


エンコード方法は「圧縮」タブで変更できます。
「圧縮」タブ


編集ボタンをクリックすると編集画面が表示されます。
「圧縮」タブの編集ボタンをクリックした画面


配信する映像の信号速度を調節できます。
編集画面のレート変更画面


ビデオの画像サイズを変更します。
「ビデオサイズ」タブ


タイトルや作成者などを編集します。
「属性」タブ


画像、音声の加工ができますが、普通は変更しません。
「処理」タブ


画像、音声の加工に使うプラグイン・ソフトウェアを指定できます。
「プラグイン」タブ


ビデオに保護をかけることができます。
「セキュリティ」タブ


パケットサイズやタイムコードを変更できます。
「詳細設定」タブ


このあと、メニューバーの「エンコードの開始」をクリックすると映像のエンコードが始まります。

さあ、ここまでの設定で、LAN内でLive映像を見ることができるようになりました。
それでは、早速、Windows メディアプレイヤーでLive映像の確認をして見ましょう。
Windows Media Player を起動して、メニューバーの「ファイル」から「URLを開く」を選びます。
URLの入力ダイアログが現れますので、Media Encoder が動作しているパソコンのIPアドレスと
ポート番号を「http://IPアドレス:ポート番号」のように入力します。
例)http://192.168.12.99:1080 (IPアドレスの変わりに、PC名を指定してもかまいません。)
これで、画像のバッファリングが10秒程度続いたあと、Live映像が表示されるはずです。
表示を終了するには、Windowsメディアプレイヤーの停止ボタン(■)をクリックします。
※うまく映像が表示されないときは、「入力ソース」のビデオ、「出力」のポート番号をチェックしてください。
 あるいは、Webカメラの動作をウィンドー右側にある「入力」画面で確認してください。

ここでは、画像の品質も確認しておきましょう。
低帯域(64kbps以下)での動画配信の場合、画質と動きへの追従性は、トレードオフの関係になりますからある程度の妥協が必要です。
「編集」ボタンから「31kbps」のタブ(設定を変更するとタブの数字が変わります。)で変更できます。
以下は、低帯域での設定例です。
---------------------------------------------------------------
オーディオ形式(A)5kbps, 8kHz, mono
フレームレート(F)5fps  キーフレームの間隔(K)10秒
ビデオビットレート(E)44k
バッファサイズ(B)8秒
ビデオの滑らかさ(I)90
デコーダの複雑さ(C)自動
合計:       55 Kbps(55000 bps)
ビデオビットレート:44 Kbps     オーディオビットレート: 5 Kbps
スクリプトビットレート:      オーバーヘッド:     6 Kbps
-----------------------------------------------------------------
Webカメラは、市販のもので十分使えます。
上記を参考に、いろいろな設定を試してみてください。

※Windows Media Encoderは、標準では、最大接続数が5つまでとなっています。
 そのため、少しアクセスがあるとLive映像が見えなくなることもあります。ご了承ください。


さて、WebカメラのLive映像を見るために、毎回、Windowsメディアプレーヤーを起動して「URLを開く」操作をするのは面倒です。
そんなときは、HTML(ホームページ)ファイルを作って、IE(インターネットエクスプローラー)で表示しましょう。

以下の文書(HTML)をコピーして、メモ帳の「新規文書.txt」に貼り付けてください。
-------------------------------------------------------------------
<html>
<head>
<title>ビデオLive</title>
<body>
<div style="text-align: center;">
<h3><Webカメラ映像></h3>
<p>
<object id="MediaPlayer"
classid="CLSID:22d6f312-b0f6-11d0-94ab-0080c74c7e95"
codebase="http://activex.microsoft.com/activex/controls/mplayer/en/nsmp2inf.cab#Version=6,4,5,715"
align="baseline" border="0" width="320" height="280"
standby="Loading Microsoft Windows Media Player components..."
type="application/x-oleobject">
<param name="FileName"
value="http://IPアドレス:ポート番号">
<param name="Showcontrols" value="true">
<param name="AutoStart" value="true">
<param name="ShowStatusBar" value="true">
<param name="ShowDisplay" value="false">
<embed src="http://IPアドレス:ポート番号" align="baseline" border="0" width="320" height="280" type="application/x-mplayer2" pluginspage="http://www.microsoft.com/isapi/redir.dll?prd=windows&amp;sbp=" mediaplayer&ar="Media&amp;sba=Plugin&amp;&quot;" name="MediaPlayer" showcontrols="1" autostart="1" showstatusbar="1" showdisplay="0">
</object>
</p>
</div>
</body>
</html>
-------------------------------------------------------------------
ここまで

次は、貼り付けた文章内のIPアドレスをMediaEncoderが動作しているパソコンのアドレスに設定し、
ポート番号をMediaEncoderで指定したポート番号に変更します。

変更例)
15行目:value="http://192.168.12.11:1080">
20行目:<embed src="http://192.168.12.11:1080" align="baseline" border="0"

変更終了後、適当なファイル名(「Live.txt」など)で「マイ ドキュメント」フォルダーに保存します。

次に、作成したファイルの拡張子を変更するために、「マイ ドキュメント」フォルダーを開きます。
メニューバーの「ツール」→「フォルダ オプション」から「表示」タブを選択します。
ここから「詳細設定」の枠内にある項目の設定を変更します。
ファイルとフォルダの表示 → 「登録されているファイルの拡張子は表示しない」のチェックを外します。
OKボタンをクリックして、いつでも拡張子を表示するように変更します。
このあと保存したファイル名の拡張子(.txt)を「.htm」に変更します。(「Live.htm」)

拡張子を変えると、IE(インターネットエクスプローラー)と関連付けされますので、ダブルクリックすることでIEが起動しlive映像を見られるようになります。
うまく表示されない場合は、IPアドレスやポート番号、ファイル名などが半角文字であるか確認してください。

Live映像をインターネットに公開するには、インターネットからの呼び出しに応えてルーターがlive画像の配信用パソコン(サーバー)に接続するように設定しなければなりません。

ルーターの設定は、こちら「ルーター設定例」の「アドレス変換」を参考にしてください。
ルーター設定の基本は、インターネット側のポート番号とプロトコルをLAN内のパソコン(IPアドレスで指定)のポート番号に割り当てることです。

インターネットから映像を見るためには、ルーターに割り当てられたインターネット側のIPアドレス(グローバルIP)を指定します。
インターネット側のIPアドレスは、ルーター設定のWAN側アドレスで確認できます。

先ほどのHTMLファイルを編集してIPアドレスをルーターのインターネット側のIPアドレスに変更します。
Live映像が表示されれば、インターネットからLive映像を見ることができます。

また、インターネット側のIPアドレスは、変わることがあることと数字での呼び出しは入力ミスにつながりやすいため、できれば、「ダイナミックDNS」によるドメインでの運用をお勧めします。
ダイナミックDNSでは、IPアドレスが変わったたときに、その変更をダイナミックDNSのサーバーに通知するソフトウェアを利用して運用します。
無料のダイナミックDNSサービスとフリーソフトを組み合わせて、自宅サーバーを開設できます。
自宅サーバーやダイナミックDNSについては、こちら「鷹の巣」の自宅サーバーさんが詳しい解説をされています。
また、ダイナミックDNSの更新用フリーソフトは、Sarad's Webさんの「DiCE」の項を参照してみてください。

Live映像の配信については、こちらのページ
Slow Foxtrotさん
でも詳しく説明されています。
【サイト内リンク】

■サイトトップページ

■XCOPYでバックアップ

■BATファイル覚書

■BATファイルのためのVBScript

■Fedora14のUSBブート化

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